再生
もう、仁志とは二度と会わないと決めたのに。
私は裕太と生きていくんだ。
この子と一緒に。
そのことを裕太に伝えなければ。
『―裕』
扉ごしに話した。
『―このままでいいから聞いて欲しいの』
返事はない。
『―今日は本当にごめんなさい。正直に言うわ。私、仁志のこと、ずっと好きだった』
『でも、今まで仁志とは何もなかったの。本当よ。だって気付いたの、ついこの間だったんだから』
『でも、結局、何もなかった。だって、出来るわけないわ。裕は6年間、私に沢山の幸せをくれたんだから』