再生
~FLASH BACK~


空がかなり暗くなっていた。

1人、遅くまでバッティング練習をしていた彼は、ようやく手を止めた。

『お疲れ様』

『うわ、ビビった!いたのかよ。もう7時だぜ』

『仁志こそ、こんな遅くまで。何してんのよ』

『俺は努力家なんだ』

『大丈夫よ。今年こそは絶対、甲子園に行けるわ』

『当たり前だ』

彼は真っ黒に日焼けしている。

『はい、これ』

『何だよ』

『お守り。神社に行ってお願いしてきたの』

『―え…マジで?これ俺に…?』

『早く、取ってよ』

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