再生
―高校最後の年、県大会の決勝戦。
あの試合で裕太は指を骨折していた。
仁志は甲子園出場する夢の為に、エースの裕太に続投する様に監督に言った。
監督は反対した。
『仁志、裕太は無理だ。このまま続ければ更に悪くなる』
『裕じゃなければ優勝は不可能です。これは裕と俺の夢なんです。こんなことで諦められない』
仁志の気迫に圧倒され、監督は裕太を見た。
『裕太。どうなんだ。続けられるか』
『はい、僕の夢でもあるんです。僕の投球で勝ちたい。続けさせて下さい』