再生
「―お前、どうしたんだ?何か変だぞ」
「そうかな?」
「もしかして、化粧してる?」
「ちょっとね、気分転換に」
仁志は不思議そうに夏実を見ていた。
「ね、仁志。私分かっちゃったの」
「え?」
「私達の関係」
「思い出したのか?!」
夏実は左手を見せた。
「――それ…」
「私達婚約してたのね。早く言ってくれれば良かったのに」
「―あ…俺…」
「平気で同棲出来るのもこれで納得出来るわ。良かった。これで安心して一緒に住めるもの」