再生
「そうか。良かった」
「ねえ、式は決まっているの?どうやってプロポーズしたの?」
「それは、自分で思い出すんだ」
「え?」
そう言い、彼は夏実の左手の指輪を取った。
「これも、全て思い出してからしてくれ」
「嫌よ!これは付けていたいの」
「駄目だって言ってるだろ!」
仁志が珍しく大きな声で怒鳴った。
「―静かにして下さい!」
看護婦が驚いて二人の所に注意しに来た。
(何なのよ。あそこまで怒らなくて良いのに…)