再生

「そうか。良かった」

「ねえ、式は決まっているの?どうやってプロポーズしたの?」

「それは、自分で思い出すんだ」

「え?」

そう言い、彼は夏実の左手の指輪を取った。

「これも、全て思い出してからしてくれ」

「嫌よ!これは付けていたいの」

「駄目だって言ってるだろ!」

仁志が珍しく大きな声で怒鳴った。

「―静かにして下さい!」

看護婦が驚いて二人の所に注意しに来た。

(何なのよ。あそこまで怒らなくて良いのに…)

< 18 / 147 >

この作品をシェア

pagetop