再生
眼を開けると、若い男が心配そうに自分の顔を見ている。
息が出来ない。
言葉が発せず訴えるように、彼の腕を掴んだ。
「苦しいのか?」
彼は頭の横のボタンを押した。
「大丈夫だ」
彼は自分の身体を抱き締め、頭を撫でた。
「心配ない。俺がついてるから」
しばらく彼にしがみついていた。
ようやく、うまく息をすることが出来た。
「…ありがとう…」
彼が微笑んだ。
この笑顔は知っている。
そう感じた。
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