再生

きっと仁志が両親に自分に見せない様にと伝えたのだろう。

そう分かると、一気に気持ちが沈んだ。

思い出そうとしているのに、どうして隠すの?

「もうそろそろ帰ろうかな」

母が立ち上がり、

「何言ってるの。ここに戻って来るんでしょう?」

「まさか。仁志のところに戻るわよ。明日のご飯用意してなかったし」

「もういいでしょう。戻りなさい、記憶もほとんど戻ったのだから」

< 66 / 147 >

この作品をシェア

pagetop