再生

この写真に違和感を覚えていた。

前は深く考えようとしなかった。

写真を良く見ると、不自然な大きさだった。

定期用に切っていたと思っていたが、仁志と夏実が写っている部分に合わせて切っている。

仁志が夏実の右肩に手を回していたが、左肩にも別の手があった。

―もう一人、いたんだ。

鼓動が早くなる。

―頭が痛い。

震える体を抑える。

―思い出せない…

―逃げるな…

―オモイダスナ…

「―嫌だ…駄目…」

思い出すのよ。

「ああっ!!」


激しい頭痛。

その瞬間、脳に刺激が走った。


< 75 / 147 >

この作品をシェア

pagetop