パパとママって呼ばせて。
あまり遠くまで来たわけではないのは確かだった。
だから、此処は故郷である事は間違いなかったが、今まで数十年間、故郷で生きて来た中で人の手が入らず、これほどまでに美しい森を秋は見た事がなかったのである。
「綺麗……」
秋は自分を見下ろす木々達を見上げ、自然体の姿を残す森を見て、ぽつりと言葉を漏らした。
柔らかな風が秋の髪を靡かせ、木々達が枝をしならせて心を洗う様な音色を奏でる。秋はその音に少し心を奪われた。
そんな時である、木々達の音色を遮る少年の声が、秋へと一直線に届いたのは……。
「こっちだよ」
そう言って、少年は秋に向けて大きく手を振った。
秋が少年に気付くと、少年は近くにあった、木の枝で出来たトンネルの中に入って行った。秋も少年を追い掛け、トンネルの前まで来たが。
「小さい。でも、行くしかない」
小さいトンネルに一瞬驚いたが、「行くしかない」と秋は自分に言い聞かせ、四つん這いになってトンネルの中を進んで行く。
枝で出来た自然のトンネルは、枝に付く葉っぱにより程よく太陽の光を遮り、トンネルの中はとても快適な温度で保たれていた。
だから、此処は故郷である事は間違いなかったが、今まで数十年間、故郷で生きて来た中で人の手が入らず、これほどまでに美しい森を秋は見た事がなかったのである。
「綺麗……」
秋は自分を見下ろす木々達を見上げ、自然体の姿を残す森を見て、ぽつりと言葉を漏らした。
柔らかな風が秋の髪を靡かせ、木々達が枝をしならせて心を洗う様な音色を奏でる。秋はその音に少し心を奪われた。
そんな時である、木々達の音色を遮る少年の声が、秋へと一直線に届いたのは……。
「こっちだよ」
そう言って、少年は秋に向けて大きく手を振った。
秋が少年に気付くと、少年は近くにあった、木の枝で出来たトンネルの中に入って行った。秋も少年を追い掛け、トンネルの前まで来たが。
「小さい。でも、行くしかない」
小さいトンネルに一瞬驚いたが、「行くしかない」と秋は自分に言い聞かせ、四つん這いになってトンネルの中を進んで行く。
枝で出来た自然のトンネルは、枝に付く葉っぱにより程よく太陽の光を遮り、トンネルの中はとても快適な温度で保たれていた。