先生×自分
プールに戻ると、まだ皆は馬鹿なことをやっていた。

「いつまで、やってんの?」

「いっつまでもっ!」


…アホで馬鹿で、どーしようもない人達だけど、大切なんだよね。

「宮沢っ」

木田先生に呼ばれて、近づいてみるとプールに引きずり込まれた。

「…嫌いになりそうです」

「え、ちょっマジごめん」

また?って感じ。

でも、もう仕方ないな。


「お父さん、ほら早く」


手招きをして、お父さんを呼んだ。ずっと暗い顔をしてるし…

「うん」

お父さんも飛び込んできた。
少しでも、暗い気分を変えてもらわなきゃ。

お父さんの耳元で囁いた。

「大丈夫だから。過去なんてもう気にしないから」


そうだ。過去をいつまでもほじくり返しても仕方ないんだ。

今は、『今』を大切にしていかなきゃ。


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