先生×自分
「あ、もう一個聞いてくれる?」

「ん、いいよ」

「家に帰ったら…少しでもいい。一緒に過ごそう?」

「…うん」


何でそんなことを言ったのか分かった。

きっと、あの男が言ったこと…お父さんは知ってる。

だから、教えてくれるのかもしれない。


自分的には、知らないほうがいい。

聞いてしまえば、悲しくなるかもしれない。憎んでしまうかもしれない。


でも、お父さんは何かを覚悟したんだ。

聞かなきゃいけないんだ。


「お父さん、ほら綺麗だよ」


綺麗な青空を指差して言った。
今だけでも…忘れて。


今思ってること、全部忘れていいよ。


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