先生×自分
「俺と寝…」

「喋らないでください。息吸わないでください」

「そこまで言う!?」


余計なことか、最低なことしか言わないからそりゃ言いますよ。

隆幸さんから、ちょっと離れて外を見た。

「綺麗だね」

「うん」

平次は自分の手を掴んだ。
何だろう?

「これ…」

指輪だ。
いつ買ったんだろう。
ずっと一緒にいたような気がしたんだけど。

「気に入ってくれた?」

「うん」

右手の薬指に…って、自分でやっても意味がない。

「やって?」

「うんっ」

右手の薬指には新しい指輪。


忘れられない旅行になったね。指輪も、この景色も…皆も。


< 249 / 353 >

この作品をシェア

pagetop