先生×自分
「先生と平次、どっちがいい?」

「…たまに、先生がいいかな」

照れながら、自分の頭を撫でた。
撫でてくれてる平次の隣に座った。
しばらく、三人で話していると誰かが扉をノックした。

誰だろう?お父さんかな?
なかなか入ってこないから扉を開けると目の前には、いかつい男の人がいた。

「…あなたは?」

「警察の者です」

警察?何かしたっけ?疑いながらも、中に入らせた。
なんで来たんだろう。もしかして、マスコミに持田先生とのことがばれたのか?
「持田綾子が自首してきましてね」

持田先生?自首したんだ。少しだけ安心をした。これでもう、安心して平次と一緒にいられるのかな?
刑事さんの話を聞いてると、持田先生が《人を刺そうとした。殺そうとした》って言ったみたいだ。泣きながら最後に刑事さんに頼んだことがあるらしい。
《ごめんなさい》

それを自分と平次に言ってくれと頼んだみたいだ。
最後に情が戻ったのか…
もっと早く気づいていれば、こんな大きな事件になることもなかった。
けれど、多分持田先生は変わると思う。心から誰かの幸せを祈れる人になってほしい。
力で抑えるような恋じゃダメ。キモチで、恋を叶えて…

「持田先生に伝えて下さい。…力で叶えることは、悪いことではないと思うけど…それでも、大切なものは手に入らない」

力ずくで奪うなんてことは、もう二度としてほしくない。奪った所で、優越感だけしか残らないよ。心まで奪えることは出来ないから…
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