先生×自分
「父さん、南から離れてよ」

「嫌だ!南は、大事な娘で1番心配…って平次!お前、南を泣かしたそうじゃないか」

え?なんで知ってるの?話してないし、その時いなかったし。
涙を拭って、平次の頬をつねっていた。本気で痛がる平次と本気で怒ってるお父さん。
でも、やっぱりなんだかんだ言って、お父さんは平次のことを心配してるよね。自分と平次に溝が出来てしまったことに不安を感じたはず。
「南、お父さん心配したんだから!」

「うん…って、ちょっ離れて」

ガーンとしたお父さんの顔を見て、皆で笑った。幸せの時間だ。
高校生の時、こういうこと何度もあったなぁ。お父さんがしつこくってね。でも…結婚式の時、皆の前では笑ってたけど、こっそりと泣いてたよね。しかも号泣してた。

…もし本当のお母さんとお父さんが生きてたら、喜んでくれてたかな?笑って祝福してくれたかな?空と美依が生まれた時…抱きたかったかな?孫の顔見たかったかな?

でもね、お母さんとお父さんの変わりに貴志お父さんが喜んでくれたし、空と美依を抱いてくれたよ。
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