先生×自分
「まったく…」

「アハハ」

笑い事じゃないからね。平次、壊れちゃったの?

自分をじっと見つめている平次にデコピンをした。言うこと聞かなかった罰だからね。

「痛いよ…」

「デコピンより、そっちの傷のほうが痛いでしょ」

起き上がって、天井を見上げた。
良かった…平次が元気で。いや、元気なふりをしてるだけなのかも。
痛くないふりして、元気を装ってるだけ。

「もう寝なきゃね?」
「…嫌」

また、わがまま。
子供っぽいんだけど。仕方ない…ここは聞いとくか。

「何がしたいの?」

「一緒にいたい」

「うん」

「キスしたい」

「うん」

涙目になる平次は、小さく呟くように言う。溜め込んでいたものを吐き出すように…
溜め込み過ぎたんだね。

「離婚したくない」

「うん…」

「ずっと…ずっと離れたくない…」

「離れないよ」

だから、安心して?絶対にこの手を離さないから。
離す気ないからね。覚悟してよ、何があっても離さないから…



平次の手をぎゅっと握りしめた。


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