向日葵の下で
私は急いで自分の家に帰って旅行用の大きな鞄を押入れから取り出した。
洋服、洗面具、化粧品、貴重品・・・とにかく必要なものは全て鞄に詰め込んだ。
一体何日病院にいなければならないのか分からない。私には休みという休みが無くなってしまった。
それでも私を投げやりにさせないのは、あの3人の意志の強さと記憶をなくして苦しむ雪村さんの姿だった。
何とかして記憶を取り戻させてあげたい。そして、また4人でステージに立ってほしい。
未来のことなんて分からなかった。それでも私はやろうと思った。
私は鞄のジッパーを閉めて、ブレーカを落とし、自分の部屋の鍵を閉めた。