向日葵の下で
それから雪村さんの入院生活は始まった。
生活サイクルとしては
起床
朝食
朝の問診
昼食
昼の問診
夕食
晩の問診
就寝
…と、こんな感じなので雪村さんも私も恐ろしく暇な時間が多い。
最初こそ雪村さんは空いている時間が暇であるという振る舞いを見せなかったが、最近では明らかに暇だと言わんばかりの態度をとっている。
「なあ、飯の時ぐらい話し相手になれよ」
入院生活が始まって5日後の昼食を運んだとき、雪村さんはついにそう言った。
私は彼の口からそんな言葉が出るとは思わなくて仰天した。
「…え?いいんですか?」
「暇すぎて死ぬ」
私は自分の分の食事を雪村さんの部屋に持っていき、パイプ椅子を二個用意した。
一個は私が座って、もう一個には食事が乗ったトレイを置く。
「いただきます」
「…いただきます」
私が手を合わせると、雪村さんもしぶしぶ手を合わせた。