向日葵の下で
太陽
「こんにちは」
現われたのは佐上さんだった。
「恭平に、お見舞いに来るときは隣の部屋に佐々木さんがいるからって言われたんだけど・・・どっちの部屋か迷っちゃいました」
うははっ、と可愛らしい笑顔で佐上さんは言った。
雪村さんの部屋を挟んだ二つの部屋のどちらが私の部屋か分からずに、もう片方の部屋にもノックをして確かめたらしい。ちなみにそこは空き部屋だ。
「申し訳ございません、私の説明不足でした」
「あ、そんな気にしないで下さい!大したことじゃないですよ」
「今日はお一人なんですか?」
「はい、色々トラブっちゃって…。それで全然来れなかったんですけど、樹のことも心配だから、俺が様子見てくることになったんです」
「そうだったんですか」
笑顔を絶やさない佐上さんたけれども、やはり以前のように、少し疲れているようだった。
「雪村さんはお元気ですよ。面会なさいますよね?」
「はい、お願いします」
ニコリと佐上さんは太陽みたいに明るく笑って言った。