MIXture☆special
「英(はなぶさ)様、誠にありがとうございました。」
「涼雅ぁ、ありがとぉ♪」
「あぁ――」
白々しい礼には、無愛想になってしまう。
高級ブランド品とともに、ヤツらは去って行った。
俺の今日の収穫は、何も無し。
外商と“香(公)害”女を、喜ばせただけ――
「・・・ハァ」
それでも、付き合いだから仕方がない。
早く、結婚相手を絞りなさい。
などと、お袋たちに言われるのがオチだ。
本業よりも、社交界の付き合いが占める毎日。
いっその事独立してしまいたいが、それは無理だ。
英家を継ぐヤツは、俺しかいない――
・・・ったく、くだらねぇ!
「涼雅様、宜しいでしょうか?」
「何だ野本(ノモト)?」
苛ついていた所へ、秘書の野本がやって来た。