MIXture☆special
昔から俺の、サポートをしてくれた野本。
任せておけば、何でもこなしてくれるヤツ。
今さら見た目だけの、女の秘書なんて不要だ。
「明日の確認ですが、当家主催のパーティーがございます。
お二方に念を押すよう、仰せつかりました」
あぁ…、あの見合いパーティーもどきか。
また、結婚相手選びの為の・・・
「一応は出ると、伝えておいてくれ。
その代わり、自分で全て決めると付け加えろ。
俺は自分の気に入ったヤツと結婚すると、な――」
「かしこまりました。
オブラートにお包みして、その旨お伝え申し上げます」
ゆっくりと弧を描いて、穏やかに言った。
「あぁ、サンキュ」
流石、野本だな。
この薄汚れた、低俗社会は好きになれない。
金に目の眩んだ女には、いい加減ウンザリだ。
または、顔目当てで飛びついてくるだけ。
誰も…、中身を見ようともしない。
この社会で揉まれて、育ってきたクセに。
そんなヤツらを嫌う俺は、変わり者かもな――?