MIXture☆special


拓海と会えて、元気になれたのに。




このまま…、真っ暗闇の中に閉じ込められそうで。




受かる自信、無くなっていくよ――





ジワッと潤む目を擦ろうと、俯いていると・・・





「蘭、辛くなったら空を見上げろ!」


隣に座る拓海が、叫ぶように言った。




え・・・?



驚いたあたしは、言われた通りに再び上を見た。






それは、先ほどと何も変わっていない夜空――





「計り知れない、この景色を見てるとさ。

自分の悩みが、もの凄く小さく思えるだろ?

変わらない空が、励ましてくれるよ――?」


とっても優しく、温かい声で励ましてくれて。




ポン――

大きな手で、頭を撫でてくれた。





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