02娘01

偶然です

「なんか運命だよなぁ」
「偶然です。運命なんてありえないから!!」
小林の一言が頭をよぎる。…ありえない…ありえないから…偶然だし!
「偶然かなぁ?適当に座ったんでしょ?俺もだし」
「だから偶然なんでしょ?運命ってのわ…」
「運命ってのわ??」
「……」
――こう言うことを言うんだ…。

とにかく勉強に励む來夢、隣で楽しそうに絵を書く箕神、やたらとちょっかいを出してくる小林…。
やだ…絶えれない。
この組み合わせ、ありえないから…。

「浅山?この問題といてみろ」
いきなりの質問に戸惑う來夢。
「25」
…小林??
「…っ25です」
「正解!」
…悔しい…こんな奴にあんな簡単な問題を…。

「どう?俺、これでも頭良いから」
「自分で言うの?」
「おぅ、俺わ自信あるし!!」
笑みを見せる小林。少し緩んだ口元が印象的だった。
「…さっきわ…アリガト」
頬を少し赤く染め、目線をそらしてお礼を言った來夢。
…俺、浅山に惚れたかも…。
小林わそんな気持ちに押しつぶされそうになった。
「…ぉ、おぅ。」
…隣に座ったのわ、偶然。ぅん!これわ偶然だあ!!

「…小林??」
「あ…ゴメン」
「え?そう言う訳じゃないけどさ、先生に当てられてるから」
「先に言え!」
意外と面白いな…小林も。來夢わ慌てる小林を見て少し笑ってから、また勉強に励んだ。私わ大学に進学するんだ…。

補習授業から終わり、それぞれで帰っていった。でも、來夢と箕神わ教室に残っていた。
「浅山さん?あのさ…ひょっとして小林の事好き?」
「誰が??」
私わあんな感じの人嫌いなんだってば!無関係だよ。
「嫌い。小林みたいな人苦手だし」
「そっかあ…そうなんだ」
「箕髪さんは?」
「私?好きな人とか特に居ないよ」
「そっか」
二人わ話しながら家へと帰っていった。

「……來夢」
「…翔??」
ちょうど箕髪と別れた所で、一番仲の良い男の子の平山翔に出会った。
「久しぶり。來夢とわ1年ぶりかな?」
「うん。元気にしてたんだね」
翔とわ中学時代に仲良くなったゆいつの男の子だった。高校になって別々の高校へ進学。1年ぶりの再会だった。
「來夢の家、行っても良い?」
「モチロンじゃん!早く行こう」
「おう」
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