あべこべ


「だってぇ~・・・なかなか言い出せなくってさぁ・・・もう、1年間は一緒にいるからいいかなぁ、なんて~」

「あの時、約束しただろ!マネージャーに全部話すから芸能界に行かせてくれって!」

俺は兄貴の腕を見て殴りたいところだったが抑えた

「あのぉ・・・一部始終話してくれませんか?」

口を挟まなかった司が言った

「ああ、話してやるよ」

「そうね、話しましょうか・・・」

俺は椅子に座り口を開いた

「俺と今美由紀とか名乗ってるこの馬鹿は性別があべこべだ」

「つまり、弟だと思っていたほうが・・・妹でお姉さんだと思っていたほうが・・・お兄さんということですか?」

「うん、そぉ~」

兄貴はスナック菓子の袋をあけ一人でぼりぼりと食っている

「そ、そんな!全てが変わってしまいますよ!」

「だから!あんた以外秘密だ!てか、話は最後まで聞け!」

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