平和祈念作品集
「ギャーッ!」


 断末魔のような声が聞こえた。

 ルーイが後ろを振り向くと、黒いオーラを纏った者が、ターレスの首を切り裂いていたではないか!

「何をするんだ!」

 ルーイは、ターレスを倒した者に向けて、火の玉を放った。

「赤き火よ、我が敵を焼き尽くせ!シャレローラル!」

 ターレスを倒した者は、大きな火に包まれ、あっという間に消滅した。

「長老!」

 倒れたターレスを救おうと、ルーイが駆け寄る。

 ターレスは、ルーイに向かって手を伸ばそうとした。が、力尽き、その手を落とした。

「長老!しっかりしてください!」

 ルーイの必死の呼びかけに、ターレスが答えることはなかった。


 ルーイの声は、離れたところにいたシライアスにも届いた。

「ルーイ、どうしたんだ!」

「シライアス様、長老が…長老の首が…」

「なんだって!?」

 シライアスは、周りの敵を剣でなぎ払うと、勢い良く飛び上がり、ルーイの元へと移動した。

「長老…」

 ルーイは、ターレスの体を抱き起こした。

「我が中に眠りし力よ、その力もって、彼の者の傷を癒せ…」

 その一瞬の隙を見逃さなかった者が、ルーイの後ろから、剣を突き刺した。


  ボスッ!


 鈍い音が、辺りに響き渡った。

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