平和祈念作品集
「ルーイ!」

 シライアスが叫んだその瞬間、ルーイは胸を貫かれ、その場に崩れ落ちた。

「ルーイ、しっかりしろ!」

 シライアスが呼びかけるが、ルーイからの反応はない。

「白き氷よ、その凍てつきの力をもって、我が敵の動きを封じ込めよ!ヒャングーソ!」

 シライアスの叫びにより、シライアスとルーイを取り囲んでいた者は、すべて凍りついた。

「…あ…シライアス…さま…」

「ルーイ、しっかりしろ!」

「私は…もう、だめ…です」

 シライアスは、ルーイの傷口に手を当てた。が、ルーイは、首を振った。

「私が、未熟者だから…」

「何を言う!おまえの能力は、十分高い!」

「…いえ、そうではないです…シライアス…貴方を…守ることが、できなかった…」

 そう言って、ルーイは、ゆっくりと目を閉じた。

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