平和祈念作品集
 無限に広がる宇宙空間の中に、シライアスの魂は漂っていた。

(もう…終わりだな…)

 パドゥー星も、サバミラ星も、砕け散った。後に残るのは、静寂のみ。

(パドゥー星が機能しなくなった以上、こうするしか方法がなかった。結局、俺は、誰も救えなかったのだ…)

 シライアスだった魂は、何の目的もなく、ただ、宇宙空間を漂うだけだった。


『諦めるのは早いぞ、指導者シライアス』

 ふと、前方を見ると、そこには、ターレスが立っていた。

(長老…?いや、そんなはずはない。倒れた姿を、見たではないか)

 ターレスは、笑顔でシライアスの魂に手を差し伸べた。

『ここにおる儂は、幻でしかない。だが、最後にやらねばならぬことがあってな』

(やらなければならないこと…?)

『そう。シライアス殿、おぬしのことじゃ』

 ターレスは、持っていた杖を大きく振った。
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