平和祈念作品集
【短編】のぽとアリサ
それは、残暑が厳しい、ある日のことでした。
「すごいね、これ」
テレビを見ていたのぽが、アリサに話しかけました。
「え?何が?」
アリサは、クッキーを作る手を休めて、のぽの方を見ました。
「ビルに、ひこうきがつっこんでるの」
それを聞いたアリサは、こわばった表情をしました。
「…そうか、今日は11日だったんだね」
のぽは、カレンダーを見て、言いました。
「うん、きょうは9がつ11にちだよ」
テレビでは、飛行機がビルに追突する様子が、繰り返し流されています。
「すごいな、これ。えいがにしては、できすぎ」
のんきにテレビを見ているのぽに向かって、アリサは、こう言いました。
「それ、映画じゃないよ。本当にあったことなんだよ」
「ぴ?」
「そっか、のぽはまだ生まれてなかったんだよね」
「うん、のぽ、うまれたばっかりだから」
アリサは、クッキーの生地をテーブルに置いたまま、のぽのそばに座りました。
「すごいね、これ」
テレビを見ていたのぽが、アリサに話しかけました。
「え?何が?」
アリサは、クッキーを作る手を休めて、のぽの方を見ました。
「ビルに、ひこうきがつっこんでるの」
それを聞いたアリサは、こわばった表情をしました。
「…そうか、今日は11日だったんだね」
のぽは、カレンダーを見て、言いました。
「うん、きょうは9がつ11にちだよ」
テレビでは、飛行機がビルに追突する様子が、繰り返し流されています。
「すごいな、これ。えいがにしては、できすぎ」
のんきにテレビを見ているのぽに向かって、アリサは、こう言いました。
「それ、映画じゃないよ。本当にあったことなんだよ」
「ぴ?」
「そっか、のぽはまだ生まれてなかったんだよね」
「うん、のぽ、うまれたばっかりだから」
アリサは、クッキーの生地をテーブルに置いたまま、のぽのそばに座りました。