平和祈念作品集
 そこへ、黒いオーラを纏った者が、シライアスめがけて切りつけてきた!

「体内に存在せし粒子よ、その力もって、彼の者に罰を与えよ!ランデリー!」

 ターレスが印を結ぶと、目の前で人が爆発を起こした。ルーイは、その光景を見ていられずに、思わず目を背けた。

「長老、いくら、サバミラ星の者に操られてるとしても、彼はヒトですよ!」

 ルーイが、目を背けたまま叫んだ。

「ルーイ、それは甘い考え方だ。元はヒトかもしれないが、あの黒いオーラに包まれたが最後、その者は、元には戻れなくなる。“光の宝珠”に封じるか、倒すかのどちらかしか、選択肢はないのだ」

 シライアスが、冷ややかな口調でそう言った。

「でも!」

 ルーイには、それができなかった。それが、彼がパドゥー星で修行を積み続けている理由のひとつでもあった。

「ここからは、本気で戦わなくてはいけない。彼らを滅ぼすか、我らが滅びるか、どちらかひとつしか選べない」

 シライアスは、そう言って、腰の剣を抜いた。

「さあ、ルーイ、おまえも武器を持て!」

 ルーイは、しぶしぶ懐から短剣を取り出した。

「…いかなる理由であろうと、私は戦いたくないです」

「そんな甘いことを言っている場合ではない!」

 戦いに消極的なルーイに対して、シライアスは、声を荒げた。

「逃げるわけにはいかないのだ。我々は、星のために戦わなくてはいけない。戦い方を選んでいる時間はないんだ。行くぞ!」

 シライアスは、剣を持ち直すと、黒いオーラを持つ者に向かって、切りつけた。

「さあ、シライアス殿の後を追うのじゃ、ルーイ」

 ターレスに言われて、ルーイもシライアスの後を追った。

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