平和祈念作品集
 3人は、“敵”を前にして、善戦した。

 だが、多勢に無勢、形勢は明らかに不利だった。

 サバミラ星の者は、無限にいるかのように、次々とパドゥー星の民に乗り移る。そこに黒いオーラが見えるのに、何かに乗り移った後でなければ、倒すことができないのだ。

「サバミラ星の者は、不死身なのですか!?」

 ルーイが叫んだ。

「わからぬ!こちらも、すぐそこにあるのがわかっていたのに、手を出すことができなかったのじゃ!」

 ターレスが、ルーイの後ろで叫んだ。

「ひょっとすると、倒すこともできるかもしれぬ。だが、こう次から次へと乗り移ってこられたら、倒す前に倒されるぞ!」

 シライアスが、目の前の者を切りつけながら、そう叫んだ。

「私がやってみます!」

 ルーイが、少し離れた場所へ移動した。ここからなら、サバミラ星の者のオーラがよく見える。

「赤き炎よ、その力もって、黒き影を焼き尽くせ!ボワソン!」

 一瞬、黒いオーラは、消滅したかのように見えた。

 が、次の瞬間、ルーイの元へ、ルーイが放った炎が戻ってきた。

「地の力を持ちし光よ、彼の者にかけられし呪法より、その身を守りたまえ!スカンタラ!」

 ターレスの機転で、ルーイを守る光の膜が彼を包み込み、ルーイが炎を浴びることはなかった。

「やはり…ダメみたいです」

「呪法返しのバリアを張っているようじゃな」

 ルーイは、黒いオーラを見た。こんなに近くにあるのに、攻撃を与えることができないのが、もどかしかった。
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