初愛
真哉は恥ずかしいかった。当然の様に電話をしていたが、それは全て演技だった。
「一緒に寝てくれ…か…。あいつの冗談もきつくなってきたな。」
そう本気で思っていた。陽がバイだなんて全く信じていなかった。
「あいつ家行くの嫌なんだよな…。」
そう呟いて、真哉は着替え始めた。真哉は試着室にいた。新しい服は真哉をときめかせた。
「これをあいつが見たら笑い転げるだろうな。」
服を試着した真哉は、お世辞にも似合っているとは言われないだろう。
「まぁあの髪型ならこんな感じでも合うかな。」
真哉は服を脱いで、その服をレジに持って行った。
「今日は誰に買っていくんですか?」
ニヤつきながら店員は聞く。
「友達の誕生日にね。俺こうゆう服好きだからさ。」
微かに笑いながら、真哉はその問いに答えた。決して嘘は言わずに。
「包装は要らないよ。そんなの意味無いからさ。」
そして真哉は深夜の闇に消えていった。