殺人許可日
「え?」

彼女らの言ってる意味が分からない。

ゆいはジッと床を見つめていた。


「この子さ、地味だし大人しくてつまらないって悪口言われてんのよ。…こんなのといない方がいいって!きゃはは」


そうなんだ…ー。

一瞬ゆいを哀れに思う気持ちが生まれた。

そして、そんな子と一緒にいるのが…恥ずかしいように感じた。


千佳や早紀といた方が…いいんじゃないかな?


…ーー気づけばあたしは

「…ーゆい、あたし、千佳らと食べるわ」


ゆいを突き放していた。

あの時のゆいの顔、

きっとずっと忘れない。

涙に濡れた大きな目。


歪んだ口元。


悲しくそうで
辛そうで

捨てられた子猫みたいな
不安げで死んじゃいそうな、顔…ーー。

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