殺人許可日
それに許せない。

先生に手を出す奴なんて。



あたしは銃を持った手をゆっくり持ち上げて、金属バットを揺らめかせて近づく奴に向け構えた。

「お、やるか?」

ニヤニヤ、嫌な笑みを浮かべながら奴があたしを見つめる。

先生が振り向いた。
銃を構えているあたしを見て少し驚いたものの、声を荒げて叫んだ。


「ゆい止めろ!!!早くその子を連れて逃げなさい!!」

「……嫌です。先生を置いてなんて嫌です。……だって危なくなった時、先生は優しいからアイツを殺せないでしょ?」


先生の目が大きく見開かれてた。

「ゆ…い」

「…ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ!!!」


バン!


バットを持ち上げ、走りだした奴の顔の真横に銃を放った。

「…止まりなさい。さもないと脳天かち割るわよ」
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