殺人許可日
ドキドキする…。

顔が熱…い…。


「…先…生?」

「ごめん…気づいてやれなくて…」

「…っ」

先生は気づいたんだ。

あたしがイジメられてることにー…。

こんなにびしょびしょなんだもん…分かるよね。


「いえ…」

「…とにかく今は服着替えないと風引くな。うし!俺がゆいをおぶってやろう」

子供みたいな可愛い笑顔でそう言った先生。


「な、なんでおんぶなんですか?」

「くっついてた方が温かいだろ?早く乗りな」


「濡れちゃいますよ?」

「おう。気にすんな」

「…わ、分かりました」


あたしは、戸惑いながらも、先生の背中に乗った。

その背中が大きくて、

温かくて、

あたしはーーーー。




「ゆい?」

先生の言葉にハッとして、あたしは横で少女をおぶっている先生を見つめた。

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