殺人許可日
俺はゆいの手首を掴むとなるべく痛くならないようにひねりあげた。

「っ…!先生!?」

「悪いな…ゆい」

ガチャン…

そして俺は手錠を俺の右手とゆいの左手に付け、鍵をした。

「………これ…」

唖然とした顔で手錠を見るゆい。

「こうなることも想定して、買ってたんだ。

…これからお前と俺は必然的に一緒に行動するしかないだろ。
そうすれば、
俺はお前を止めることが出来る」



唇を噛み、俯いたゆいの頭を撫でる。

「手荒な真似をしてすまない。

でも、それだけゆいに殺人なんてしたくないんだ」

「………」

ゆいはしばらく手錠を見ながら、黙っていた。
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