殺人許可日
「…分かりました」


ゆいが小さく呟いて、顔を上げた。


無表情すぎるゆいに一瞬ゾッとした。

こんな表情…する奴だったか?


「そんなに見たいなら見せてあげますよ。あたしの隣で」

ジャラ…

繋がっている片手を持ち上げると、その手をそのまま俺の頬に触れた。


「雪子ちゃんが死んでいく様を…、あたしが雪子ちゃんを殺す瞬間をー…、見せてあげます」




本当は、先生にはこんなあたし見てほしくなかったけど。

と、小さく呟くと、またゆいは目を伏せた。

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