新!狼×天然【番外編】
それから焦る女は俺らに何回か謝って、一緒に来てた女数人とどこかへ行ってしまった。
女数人がいなくなると、俯いたまま彼女は『今日は帰る』と不機嫌な顔をして、1人で帰ってしまった。
その日家に帰るとメールが1件受信されてて、そこには彼女から
《今までありがとう。あの告白は無かったことにしてね。暇な日はまた遊ぼうね》ときていた。
俺はそれから何度か彼女からデートを誘われたけど、俺はそれを全部断った。
周りの今まで遊んでた女も断った。
それはたぶん………あの女のせいだと思う。
そう、あの女こそが。
ファミレスの中で目が合って、すぐに目を逸らした女こそが。
俺を睨んでた女こそが。
自分から話しかけてきたくせに、後から焦りだした女こそが。
今まで見たことがないくらい容姿が可愛かったあの女こそが。
…………実紅だった。
実紅が覚えてるかは知らねぇ。
きっと忘れてるだろう。
だけど俺は覚えてる。
今でも昨日のことのように鮮明に思い出せる。
きっと一生忘れないだろう。
あのときの、胸のときめきを。
きっとあれが、
俺の初恋だったに違いない。
【END】
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