新!狼×天然【番外編】
嫉妬してしまった。
自分だって初恋が洸太ってわけじゃないのに。
あたしは洸太の元カノに嫉妬してしまった。
だからあたしは、話が途中なのを知っててわざと洸太に言った。
『ごめん。あたし……無理だ』
『え?』
『あたし……そんなに心広くない』
『どういう、こと?』
『そういう話聞いてると、嫉妬しちゃうの。元カノに』
それから洸太は何度も謝って、あたしが『あたしの方こそごめんね』って言ったら抱き締めてくれた。
その温もりが暖かくて、やっぱりあたしは洸太じゃなきゃダメだなぁって実感した。
結局、その日にその話の続きを洸太から聞けることはなかった。
もちろんその日から今日まで、洸太からその話題に触れることはなかった。
何でだろうって思ったりしたこともあった。
でも、あたしが嫉妬するのを分かってるからこそ、あたしに気を遣って言わないんだなって勘づいた。
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