新!狼×天然【番外編】
洸太の気遣いは正直とても嬉しかった。
あの時のあたしには、あれ以上元カノの話を聞く余裕はなかった。
できればこのまま元カノの話が二度と出てこなければいいのにって心の底から思った。
元カノと洸太の思い出話を、ふと思い出すときがある。
その時は1人で不安になって、もう過去のことなのにやっぱり嫉妬してしまう。
だから、思い出したくなかったのに。
「みんな……来るの?」
「みんな?何か、仕事とかで忙しいやつは来れないらしいよ」
「そう……なんだ」
聞きたいけど。
聞けない。
『元カノも来るの?』なんて
聞けない。
だって、もし『来る』なんて言われたらって思うと、何て言ったらいいのか分からない。
きっと久々に中学時代の友達に洸太だって会いたいだろうし、あたしに引き止める権利なんかない。
だけど、両想いだと知ったあの日。
洸太から元カノの話を聞いたあの日。
あたしは初めてあんなに過去の人に嫉妬した。
その時の気持ちがまた蘇ってきてる。
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