新!狼×天然【番外編】
だから、俺に寄ってくる女は必ず俺と同じような女だった。
『彼氏が浮気してんの。だからあたしも浮気しようと思って。協力してくれるよね?修夜なら』
“修夜なら”
必ず女はそう言う。
女たらしな修夜なら、あたしが遊びでも平気でしょ?って。
女好きな修夜なら、あたしでも付き合えるでしょ?って。
来るもの拒まずな修夜なら、あたしの誘いを断らないでしょ?って。
だからって二股したことはない。
身体だけの関係だとしても、1人の女と関係を持っているときに他の女と関係を持ったことはない。
去るもの追わずなくせに、女を傷つけることだけは、自分でしちゃいけないって決めてた。
でも、中にはたぶん、たぶんだけど、本気で好きで俺に告白してくれた子もいると思う。
別れを切り出されたのは数えきれない数だけど、今でも覚えてる別れが俺にはある。
泣きながら女は言った。
『あたし修夜のこと本気で好きだから分かっちゃうんだ。本気で好きになったことないんでしょ?修夜って可哀想だよね』
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