新!狼×天然【番外編】
それからは、漫画やドラマでよくあるシーンのように、ボッコボコにされた俺。
そんな俺を見て彼女は『修夜…っ』って泣きながらしゃがんでた。
でも当の本人のトップが出てくることはなかった。
『次はこれだけじゃ済まねぇからな』
グループの一員は口や身体中から血を流して倒れてる俺にそう言って、その場から去った。
「修夜ぁ……」
彼女には何もなかったみたいで、俺はそれを見て安心していた。
「ケガしてねぇ?」
俺のその問いに涙で目を腫らした彼女は小さくコクンと頷いた。
「それより、修夜病院行かなきゃ…」
「あ?大丈夫だよ、これくらい」
「ダメだよ!もし骨折してたらどうすんの?!」
「骨折してねぇって」
「そんなの分かんないじゃん!やっぱり病院行こうよ!」
俺を必死で心配してくれる彼女を見て思った。
何で彼女は好きでもない俺をこんなに心配してくれるんだろう、って。
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