飛べない天使の子


「つーかお前らうぜぇ」

「俺と佳子さんの仲じゃん!」

「それがうざい。蹴るぞ」


文紀は佳子にゾッコンラブ。毎日毎日飽きることなく、バイオレンスされてもめげることなく、彼氏がいても諦めることなく……佳子うざいだろうな。


「ツンデレな佳子さんも好きだ―!!」

「どこにデレがあった!? いっぺん宇宙まで行けや!!」

「やっぱ王子は同じ相手と1回しか寝ないのか……くぅ~羨ましいぜ!」


言い忘れていたけど至はただの変態でもある。(これは持論)
これだけ変な奴らと1年とちょっと付き合っている私も変な奴らしい。

佳子とは中学で会った。
当時彼女は不良の中の不良だったらしい。よく知らないけど。
高校上がって至や文紀と付き合いだしたのは、文紀が佳子に一目惚れしたからだ。
運命もクソもないただの腐れ縁……らしい。(佳子論)


「そろそろ夏休みだなーっ!」

「何期待してんだその目は?」

「佳子さんとデー…ふごぅっ!」

「海行きたいね!」

「沙久がそう言うなら行くか!」

「……水着ギャルがいっぱい」

「Wデートもいいな!」

「カップルどこにも成立してないけど?」


私の言葉に大ダメージを受けた文紀はすごすごと席に戻って行く。
佳子に殴られてもビクともしないのに、繊細なのか?
至は何やら妄想中らしく、ウハウハした顔で戻って行った。

とりあえず皆さん期末テスト忘れてるでしょ?



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