アリス図書館
「それよりもアリス、君の願いは?」
妖精について考え込んでいたアリスに問い掛けたイオン。
「願い?私に願いなんてないわ。あったとしても、自分の力で叶えるわよ」
腕組みをしたアリスは力強い目でイオンを見た。
その言葉にイオンは少なからず驚いた。
「・・・アリス、君の家系は代々国を代表して祈りを捧げる。そうだろ?」
「そうよ。今の代表者・・・女神は母様がしているわ」
アリスが住んでいる国は、神に祈りを捧げることで成り立っている。
アリスの家系は、国を代表して祈りを捧げることを役目とされた女神を受け継いできている。
「女神交代の儀式はまだなのか?」
「それなら、明日するわよ?」
「代表者は?」
「私には、姉がいるの。多分姉さんよ」
アリスは姉のローズをしたっていた。
心優しきローズが女神になれないはずがない、アリスはそう思っていた。
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