アリス図書館
「そう思っているのなら、尚更こっちに・・・」
「でも」
話し出したナルの言葉を遮り、アリスはナルをあらためて真っすぐに見た。
「何万人とみてきたからこそ言えるわ。
人は愚かな生き物なんかじゃないわ」
は?
そんな感じの顔をしたナル。
明らかに驚いている。
「自分の欲の為に来たものたちがほとんど・・・。
貴方そう思ってる?
違うわ。
誰かの為に
大切な人の為に
自分の命を投げ出した人を
そんな人を、何人もみてきたわ」
友人
恋人
家族
そんな人達を、皆一生懸命助けようとしていた。
「だから私は助けたのよ・・・」
ボソッと呟いたのをナルは気付かない。
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