アリス図書館





「それにしても、お客様が来ないわ・・・」








頬杖をまたついたアリスは、退屈そうに言った。









「まあこんなに暑い日は、外に出る人がいないんだろうな」









窓の外に広がる、晴れ渡る空。





図書館中に程よい冷気を漂わせているが、見ているだけで暑くなる。












〜♪〜♪







図書館中に音楽が鳴り響いた。










「あら、お昼の時間だわ」






「今日の昼食はなんにする?」







「私、流し素麺がいいっ!」









エインセルが元気よく手を挙げた。








「久しぶりにいいわね」






「んじゃ、素麺茹でるか」






「やったっ!」









バタバタッ−














「アリスさんっ!お客だぞっ!」







「あら、やっときたわね。これで暇潰しが出来るわ」









スッと立ち上がったアリスは歩き出した。










「えーっ!じゃあ流し素麺は・・・」






「おあずけ・・・だな」







「嘘〜っ!」








ショックをうけたエインセルは危なげに飛んだ。










「ふふふっ。それじゃ、依頼人のところに行きましょう?」







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