アリス図書館
しかし
「あら?変ね・・・」
いつもなら出てくる火の玉が、なぜか出てこなかった。
なんどか鳴らしてみたが、火の玉は出てこなかった。
「どうして・・・」
アリスは口元に手をあて、本棚に背中を預けた。
ふと、アリスは思った。
「イオン・・・?」
アリスは辺りをキョロキョロと見回した。
もちろん、暗闇の中だからたとえいたとしてもわからない。
でもアリスは人の気配を感じとるのが得意だ。
普段のイオンなら気配を消しているだろうが、こんな事態だから消しているはずはない。
「どうして・・・来ないの?」
たまに停電することのある図書館。
そんな時、いつもイオンは必ずアリスのもとへ来ていた。
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