アリス図書館
男はアリスと同じくらいの歳だろう。
藍色の髪の色、藍色の瞳。
その男は、青いタキシードを着て頭には同じ青い帽子が。
「久しぶりね、帽子屋」
「その名前で呼ぶな。俺にはセツって名前がある」
帽子屋はニックネームのようなもので、本当の名前がセツ。
アリスとはなんどか面識がある。
「貴方が図書館に魔法をかけたのかしら?」
「ああ。アリスやイオンに魔法を使われては、勝ち目がないからな」
アリスが問い掛けるとセツはふうっと肩をおとした。
「イオンと聖夜は?」
「屋根の上でビビと一緒だよ」
セツは人差し指を上に向けて言った。
「・・・」
アリスはじっとセツを見つめた。
なにかを読み取ろうとするかのように。
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