魔王様とメイド様
確かに私の外見年齢では頭をなでられてもしかたがないのですが・・・・・

十代前半の外見でも一応、精神的には成人した女性でございます。
初対面の優男勇者に頭をなでなでされて嬉しいとは思えません。

なので手を振り払ってさしあげました。


「おや?嫌だったかい?」

嫌に決まってます。

「僕の名前はカイト。一応勇者やってるんだ。君は?このお城に住んでいるのかい?」

えらく馴れ馴れしい勇者様ですこと。
私これでも人ではありませんのに、警戒心ゼロですわね・・・・・。

「・・・・私はフリル・フリリアン。このお城のメイドでございます」
勇者様は何のご用でしょうか?

「んー・・実はこの城に魔王が住んでるって聞いたんだ。それって本当?」


・・・・・・・・・。
違います。って言ったら帰ってくれるんでしょうか?
どう答えようか迷っていると、
「沈黙は肯定だね。」と、言われてしまいました・・・・。

図星。なんか、からかわれているようで殺意がわきましたわ。
問答無用でお墓行きさせたくなりましたが、そこそこ強そうな勇者様を相手にする魔力がもったいないので我慢します。
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