魔王様とメイド様
「・・・・。確かにここは魔王城ですが、ここの魔王様はただの(女性以外には)無害な無気力魔王様です。」

お金を差し上げるので、何もいなかったことにして帰っていただけますか?


いつもの通りのセリフを口にしながら、断られた時用に軽く戦闘準備をいたします。
私、これでも強い方なので心配ご無用です。



ですが・・・・・
優男勇者カイトからの返事は予想したものから大きく外れておりました。

「いやぁ・・・別に魔王に危害を加えるつもりはないよ。まだ死にたくないし」


は?なにしに来たんだこいつ。

・・・・・。

あっ!!!!
つい口調が昔にもどってしまいましたわ!!
よかった・・・・。口にだしてなくて。

「で・・では、なんのご用でしょう。」

聞くと、今までにこやかだった勇者の顔が少し歪められた。
そして、私を見ると勇者は魔王ってイケメン?
と聞いてきた・・・・・

馬鹿かこいつ。


「実はさ・・・・一月前、悪魔のロゼッタチャンに振られたんだ。」
・・・・・・頭の弱い勇者は、つい一月前の体験を話だした。


うんざり。早く帰れ。
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