『契約』恋愛
side:/ KAZAHARU
何も行動を起こせないうちにも、時間は無情にも過ぎていく。それを身をもって知った。
あの日から三日、雪乃とは一言も口を利いてない。
同じ教室にいるのに、
同じ空間にいるのに、
同じ時間を共有し、すぐそばにいるのに、
話すことができない。
いや、話す勇気がないと言うべきか…。
つい最近まで俺に向けられていた笑顔が、今は俺に向くことなんてなくて。
いつの間にか日課になっていた屋上での昼休みも、今はただ独り、憂鬱な時間を過ごすだけ…。
あからさまに俺を避ける雪乃に、ただ胸がズキズキと痛む。
今までこんな気持ちになったことなんてなかったのに。