『契約』恋愛

やっぱり、この手を離したくない。
この期に及んでそう思う私は、どんなに強欲でバカなんだろうか。

そして、沈黙を破るように風春がゆっくりと口を開いた。


「あんなことして雪乃に言えた台詞じゃねぇのは十分わかってる。けど、期限まではとりあえず俺と『契約』続けてほしい。」


二度目の言葉に、真剣な瞳に、風春がどんなにマジで私に言っているのかが伝わってくる。コレが風春のホントの気持ち…

“もう少し風春と一緒にいられる”

その想いが私のココロをまた揺さぶった。さっきまでの怒りや悲しみ、それが吹っ飛んでしまうほどの想いが私を支配する。

それによく考えてみれば、契約の期限を迎えたら終わるこの関係。いずれ終わる関係ならば、私が飾りでも遊びでも、そんなのどうでもいいのだ。
今を悔いなく生きること、それさえできればいい。
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